議会報告ASSEMBLY REPORT

2018.12.21 カテゴリ:平成30年12月定例会 1 知事が今後「チャレンジ」したい取組について

<質問>

事が奈良をもっと良くしたいとの信念のもと、今後も引き続き「チャレンジ」したいと考えている取組について伺いたい。

<知事答弁>
知事就任以来の私の県政への取組の姿勢は、先ほど出口議員のご質問に対して述べたところでございますが、言い方を変えますと、先生も多少おっしゃいました、どんな困難にあっても決して逃げないでチャレンジするようにということを、自分にも言い聞かせ、職員にもお願いをしているところでございます。
県の行政では、法律で決まっているから、国の制度がこうだから、ということも言われますが、国の制度や法律はおかしいんだから、もとから考えたらどうかというようなことも、乱暴なことも時々言っております。議論の中で、新しい創意工夫が発見できることもございますし、いろんな事案が、我々現場に近いところにおりますので、現場には複雑ないろんな事案が転がっておりますので、そのような事案を練ることによっていい味がでる、餅は練った方がいいよということも言っております。失敗はした方がいいんだ、失敗は役に立つんだというようなことも言っております。また、逆風は役に立つ、逆風が一番物を進めるのに安定をするとも言っております。いろんな言い方で前向きで考えるように、チャレンジするように、といったことを職員とともに努めているつもりでございます。
そのような中で達成出来たことがいくつかあると思いますが、国の縦割りを地方でまとめると、横割りにするというようなことの中で、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭は、一体開催されたことがございませんでしたが、国の所管が文科省と厚労省に分かれていたからでございますが、県で一体開催して何がおかしいんですかというようなことを、国の方にも言いに行きまして、全国で初めて一体開催を実現することができました。次の県はだいたい一体開催をされるような雰囲気でございます。また、地方消費税清算基準の見直しにつきましては、他の県はあまり言っておられなかったんですけれども、奈良県は粘り強く国と議論をして、国にけしかけながらいろんな動きを作り出せた面もあろうかと思います。
これから一層力を入れてチャレンジしたい施策は何かというご質問でございます。まず医療の分野が引き続きあろうかと思います。昨年までの12年間で、議員のご関心の強いがんの対策でございますが、がんの死亡率、全部位の死亡率は12年前、全国34位でございましたが、直近では6位まで改善をしております。下落率は全国1位という県になりました。がん死亡率がこのようになりますと、1位県との差がごく僅かになってまいりました。全国一のがん死亡率が低い県も夢ではなくなってまいりました。高度医療の充実、がん検診の上昇など、あらゆる努力をしたいと思っております。
また、健康はいろいろ多方面の取組が効くように思います。奈良県は健康行動が良いところもございますが、まだ欠けているところもございます。いろんな努力の総合的な結果だと思いますが、男性の方、女性の方の奈良県の健康寿命はどんどん上がってきております。男性が3位、女性が18位まで上がってきております。健康寿命日本一を目指したいと思います。上位のクラスは大変均衡、競っておりますので、気を抜くとまた落ちてしまう可能性もありますので、上を目指して県民の方と頑張っていきたいと思います。
産業振興は比較的弱い分野でございましたが、企業誘致をしようという分野におきましては、過去11年半で317件に上っております。これは最近の各県別ランクでは7位にランクされております。また、経済の温度を図る一つの温度計でございます、就業地別有効求人倍率でございますが、近畿の中でも非常に下位でございましたが、最近は近畿で1位の県になっております。このような数字で出ております。また、知られていないところでは、本社機能の転入転出の差でございますが、転入超過がこの15年間で158件ございます。本社の増加数は全国6位のランクでございます。
また、今後の奈良県在住の産業構造をどのようにするかという点につきましては、産業集積をできるだけ体系的に図って、クラスター型の産業構造にできたらというふうに思っております。クラスター型というのは、県内の企業の連関性が強くなって、全体として効率性が高まるような地域の産業構造イメージでございます。
また、雇用につきましては、就業率、働いている人の割合、15歳以上の就業率は、女性が全国で最下位、男性が全国で最下位から4位というレベルでございます。見方を変えれば、まだまだ奈良には潜在的な労働力があるということでございますし、またその能力も高いと言われております。県内の事業所の働き方改革を促進いたしまして、若者、女性、高齢者なども生き生きと活躍できる環境づくりが必要かと思っております。また、独自で新しい取組といたしまして、出所者、犯罪者等の就職を支援して再犯防止に向けた社会復帰促進就労支援の取組も出来たらと思っております。
食と農の分野も大事だと思っております。NAFICの今後の展開、また、特定農業振興ゾーン設定により、農地の有効利用による高収益作物の生産と販売の取組なども、奈良の農業にとって大事かと思っております。
県土マネジメントの分野もチャレンジしたい項目もございます。京奈和自動車道が全線事業化されました。今後の展開が大変重要でございます。それに伴って県内の域内の道路の整備も、選択と集中による道路整備の進展が必要だと思います。また、リニア中央新幹線の「奈良市附近」駅の通過位置の確定というのは奈良県にとってとても大きな項目だと思います。
そのほか、文化・芸術の振興、森林環境管理制度、また、大阪万博開催を追い風にする奈良観光の振興などは、これから更に力を入れていきたい項目でございます。このような動向をしっかりと見据えて、積極果敢なチャレンジを続けていくことができたらと思っております。

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