議会報告ASSEMBLY REPORT

2018.12.21 カテゴリ:平成30年12月定例会 3 がん対策について

<質問(1)>

第3期がん対策推進計画に掲げられた「がんで亡くならない県 日本一」を達成するためには、がんの早期発見と適切な治療を受けられる体制を整えることが何よりも重要なことと考えるが、その達成に向け、県では今どのような取組をし、また、今後どのような取組を進めていこうとしているのか。

<知事答弁>
がんは最も死亡要因の高い疾病です。本県は、健康寿命日本一を目指しているところであり、「がんにならない、がんになっても安心できる奈良県」を基本理念とする「第3期奈良県がん対策推進計画」を策定し、取組を進めています。がん死亡率の全国ランクが12年前の全国34位から平成29年には6位まで上昇してきたのも大きな励みとなっています。
がんで亡くならないためには、早期発見と適切な医療の提供が大変重要です。早期発見のため、検診受診率の向上が必要と思いますが、奈良では少し遅れている分野です。市町村、保健所と連携して努力を重ねています。
また、医療の提供の分野では、県内におけるがん診療の拠点として9つの病院を指定しています。
さらに、今年度は、「がん医療の見える化」を進めています。統計資料が充実してきているので、拠点病院等における治療の状況などを収集・分析しており、その結果を各病院に示したうえで、意見交換を重ね、がん医療の質の向上や病院間の役割分担に役立ててもらう予定です。
今後、ホームページ等でわかりやすく発信し、県民の皆様が受診する際に役立ててもらえる知識の提供をしたいと思っています。
最近では、「がん登録」の仕組みが整ってきたことで、がんの罹患、死亡に係るデータが蓄積されてきました。それらのデータから、がんの種類ごとに男女別や年齢階層別の罹患状況を数値化し、また地域ごとの特性を把握できるようになってきました。こうしたデータを分かり易く提供することで、それぞれの医療機関、関係者の対策の充実や啓発に役立てていきたいと考えています。
このような対策を中心に、第3期がん対策推進計画の下で先進的な取組を進めたいと思っています。

<質問(2)>

新しい総合医療センターでは、緩和ケアを必要とする患者に対し、現在、どのように対応しているのか。また、今後、総合医療センターにおいて、緩和ケア病棟の整備も含め、緩和ケアをどのように充実していこうと考えているのか。

<知事答弁>
総合医療センターは、「地域がん診療連携拠点病院」に指定されていますが、地域のがん診療の中心として、緩和ケア外来や「がんサポートチーム」を設けるなど、緩和ケアの充実に努めていただいています。
がんサポートチームは、専門の医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などで構成されていますが、がんと診断された早い時期から、専門的な緩和ケアを必要とする患者への定期的な病棟回診やカウンセリング、円滑な療養生活のための支援などを行っていただいています。がんサポートチームが緩和ケアにあたる患者の数は年々増加しており、平成29年度は月平均で約25人となっています。
また、県が平成21年度から実施しております緩和ケア研修会には、総合医療センターの医師の9割以上が受講していただいています。このほか、院内での研修会や勉強会を通じて、緩和ケアが必要な患者や家族に寄り添える心と技術の向上に努めています。
総合医療センターへの緩和ケア病棟の整備については、稼働病床は現在の450床から、将来540床に増やす計画を持っていますので、その計画の中で、緩和ケア病棟を20床整備することとなっています。地域の医療機関との連携を図り、地域における医療のニーズを見ながら、段階的に計画した病床のオープンを進めようとしているところです。緩和ケア病棟の稼働に向けては、専門のスタッフの確保や育成が必要となりますので、このような供給サイドの準備もしっかりと進めていく必要があると思っています。

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