議会報告ASSEMBLY REPORT
2018.12.21 カテゴリ:平成30年12月定例会 4 奈良県中央卸売市場の再整備について
<質問>
一般市民に開かれた賑わいのある市場とするためには、市場本来の機能と連携した賑わい施設の整備はもちろんのこと、立地条件を活かして観光客を取り込むことが必要と考えるが、再整備基本計画には、どのような内容を盛り込もうとしているのか、現在の検討状況を伺いたい。
<知事答弁>
奈良県中央卸売市場の再整備に当たっては、今年3月に策定した基本構想において、市場本来の卸売機能である「BtoB」と呼ばれる事業者間の取引機能の向上を図ることはもちろんですが、もう一つの柱として、県民や観光客が訪れる地域の賑わいの拠点づくりを目的に「BtoC」呼ばれる一般消費者を対象とした機能の導入を掲げております。このため、再整備により生み出された余剰地の活用やその立地条件、また、地域のまちづくりの視点も含めて、基本計画の策定を進めているところです。
具体的な例をあげますと、奈良の市場が取り扱う生鮮食料品はもとより、奈良県が発祥とされるお菓子や酒をはじめとした、県内の選りすぐりの食材を取り揃えまして、「食べる」「買う」だけでなく、生産者及び調理人の熱い想いや、その食材にまつわるストーリーなどを「学ぶ」ことができる「イータリー」というコンセプト、「食べる」と「イタリア」を混ぜた言葉ですが、そのようなコンセプトのもと、大きなホールの下で「食」に係る活動を行うことができる「フードホール」のような建物の整備を考えています。
また、多くの方を呼び込むためには、フードフェスティバル等の「食」をテーマにしたイベントや、音楽・演劇等の文化イベントのほか、国体等全国規模の大会の開催やプロスポーツも観戦できるような、多目的な機能を有するアリーナの整備についても検討をしているところです。イータリーの街で食べることを楽しみながら、またアリーナでのいろんなイベントを楽しむといったような、複合的な施設の整備を考えています。
さらに、市場内の事業者等から、宿泊施設に対する要望の声をいただいています。ホテルの整備について、現在、周辺地域のニーズ調査を実施しております。新しくなります卸売市場を訪問される観光客の他、近鉄で2駅先にまほろば健康パーク「スイムピア」を練習施設として利用される国内外のトップアスリートなどが来られますが、そのスポーツ合宿所となる宿泊施設が近くにはありませんので、そのような利用も可能であろうかと思います。また、近隣の昭和工業団地に商談で来訪される方の宿泊施設もあまりありませんので、そうした宿泊に対するニーズもあろうかと思います。宿泊施設の誘致について、その可能性を検討しているところです。
これらの整備にあたっては、その運営も含めて、民間の活力や資金、経営ノウハウの導入を前提に検討を深めておりますが、今年度末には、「奈良県中央卸売市場再整備基本計画」として取りまとめたいと思っています。